天山遯
遯は、亨る。小は貞なるによろし。
彖に曰く、遯は亨るとは、遯れてとおるなり。剛、位に当たりて応じ、時とともに行うなり。
小は貞なるによろしとは、ようやくにして長ずればなり。
遯の時義、大いなる哉。
象に曰く、天の下に山あるは遯なり。君子もって小人を遠ざけ、憎まずして厳しくす。
初六。遯尾なり。危うし。往くところあるに用うるなかれ。
象に曰く、遯尾の危うきは、往かざれば何の災いかあらん。
六二。これを執うるに黄牛の革を用う。これを勝げて説くものなし。
象に曰く、執うるに黄牛を用うとは、志を固くするなり。
九三。遯に係がる。疾ありて危うし。臣妾を畜うには吉なり。
象に曰く、遯に係がるの危うきは、疾ありて憑かるるなり。臣妾を畜うに吉なりとは、大事には可ならざるなり。
九四。好すれども遯る。君子は吉。小人は否。
象に曰く、君子は好すれども遯る、小人は否なり。
九五。嘉く遯る。貞なれば吉なり。
象に曰く、嘉く遯る、貞なれば吉なりとは、志を正しくするをもってなり。
上九。肥かに遯る。利ろしからざるなし。
象に曰く、肥かに遯る。利ろしからざるなしとは、疑うところなければなり
- 作者: 百田尚樹
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